会いに来てくれた最愛のひと

コビちゃん(安田君)の飼い主さんが、南相馬からはるばるシェルターに来て下さいました。

 

「コビ、コビ...」

お母さんに温かく抱きしめられて、コビちゃんは、たぶんわかったのだと思います。

最愛の人が、会いに来てくれたこと。

 

ふだん、知らない人、初対面の人にも、コビちゃんは淡々と接し、マイペースで部屋の隅にくつろいでいます。

堂々として隠れることはありません。

 

でも、十年以上ともに暮らした飼い主さんが久しぶりに会いに来て下さったとき、コビちゃんは思わぬ行動に出ました。

なんとダッシュして押し入れに入り、ずっと出てこなかったのです。

私たちは部屋を出て、ご夫妻とコビちゃんと水入らずの時間を、と思いましたが、

しばらくしても「押し入れからまだ出てこないんです」と。

 

せっかく会いに来て頂いて、姿も見えないなんて。

結局、ご夫妻は押し入れを開けてコビちゃんを引っ張り出さねばなりませんでした。

 

こんな行動はとったことがありません。

コビちゃんは、明らかにわかったのです。

最愛の人がいるって。

 

どうしてよいかわからなかったのでしょうか。

 

猫の脳神経は非常に発達しています。

(だから医学・薬学の基礎研究では猫を使って脳の実験が行われているのです。)

猫と暮らしていて、照れ、とまどい、遠慮、やきもちなど、本能だけでなく複雑な感情や行動をみることがあります。

 

特にコビちゃんを見ていて、猫の賢さがよくわかります。

今回も、コビの心のとまどい、すねを、目の当たりにしました。

 

「会いに来てくれた、お母さんとお父さんが、ぼくに!」

「どうして今まで会えなかったの?これまでとてもつらかったよ」

「新しいお母さんたちの前で、ぼくはどう振る舞っていいかわからないよ」

 

といったコビちゃんの心の声が聞こえる気がしました。

こびちゃんとお母さん
こびちゃんとお母さん

コビちゃんはおじいちゃんの可愛がっていた猫で、いつもいっしょに寝ていた、

亡くなったときには脚の間にずっと座っていた、

遺体が運ばれたあともずっとそこに座っていた、

震災と原発事故で避難生活を余儀なくされて1年、久しぶりに警戒区域に入っておじいちゃんのお墓参りをされたとき、ご夫妻は、墓前で「コビをさがしてね」と祈られた、

その足で市役所に行き飼い主不明の被災動物の冊子をご覧になった、それがきっかけで、

紆余曲折あったが、ANJシェルター収容の安田君がコビちゃんであることがわかった、

 

「だからおじいちゃんが、ここにいるよ、と教えてくれたと感じています」

 

おじちゃんはコビちゃんといっしょにANJシェルターにいて、コビちゃんを心配し、守って下さっているような気がします。

安田君もおじいちゃんも、ここで大事にさせて頂きますね。

コビちゃんを命あるかけがえのない家族として大事にされるご夫妻。

この方たちを通じ、私たちスタッフも、目指すべき「人と動物の共生」のあるべき姿を垣間見ることができます。

 

たとえ震災で離ればなれになっても、絆はずっと続くのです。

今、シェルターは花でいっぱいです。

 

大地が、水が、木が、せいいっぱいの命を咲かせています。

 

ここ茨城もやはり放射能で土や水が汚れてしまった。

 

ガイガーカウンターで数値を計ると結構高いのです。

 

相変わらず第一原発では線量がはねあがり、終息どころの話ではありません。

 

まさか、と思ったけれど、また遠い他県で原発が再起動されました。

子どもたちの将来を思えば、経済よりも商売よりも、いのちと健康が優先です。

 

ましてや人間だけの地球ではないのです。

 

 私たちは、福島のことはぜったいに見捨てません。

 

国が見捨てても、民間の私たちは見捨てません。

 

ずっとつながって、ともに精一杯、生きましょう。

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