シェルターのお昼ご飯タイム。
Nさん、かみちゃん、マナさん、Wさん、じゃみさん、おかめで、
焼き芋やおにぎりやお寿司など、思い思いの食べ物を広げてわいわいやっているところに、
浪江のメルちゃんの飼い主さんYさんから電話がありました。
Yさんはこの日、午前中にシェルターで草取りや花植えのボランティアをして下さって、
お迎えに来られた娘さんといっしょにシェルターを出られたばかりでした。
「動けない犬がいます、脚がおかしいみたい、事故にあったのか?。。。」
保護依頼の電話は一日に10本くらいかかってくることもあり、シェルターですべて引き受けることはできません。
原則、依頼者が中心になって保護をして頂きます。
私たちは情報提供や里親会参加の協力など、後方支援に回ることが多いです。
ですが、Y様の依頼、それもシェルター至近。
脚がおかしくて動けない、ということは、「放置すれば死」を意味します。
かみちゃん、Nさん、おかめの3人で、どっと涙を流しながら、車にリードとケージとバリケンとビーフ・ジャーキーを積んで、走り出しました。
125号線から少し入った、牛舎や鶏小屋の並ぶ農場です。
物陰から、不安げに、こちらを見つめる犬。
腰から下を引きずり、前脚だけで移動して、こそこそと藪のなかにもぐっていく犬を、犬猫ボランティア歴40年のかみちゃんが、大判タオルとリードで、ささっと捉えます。
さすがです、見事なかみちゃん。
「あたしはもうずっとこれやって来たから、慣れてるの。タオルとリードは必需品なのよ!」
農場主のおかみさんも出てきました。
「初めて見る犬だよ。しらねえなあ。あんた達、医者に連れてくのか?
自分が轢いたわけでもないのに、どうすんだ?金かかるっぺ!」
ケージに押し込んで、病院搬送です。
休診の病院に何とかお頼みし、診て頂くことができてほんとうに助かりました。
下半身が動きません。
事故か?虐待か?
レントゲンでは背骨がつぶれているように見えました。
ガリガリに痩せています。腰骨もあばらも浮き出ていました。
脚には床ずれのような、擦り傷がありました。だから怪我をしてしばらく時間が経っているかもしれません。
手術するにも、まず栄養と水分を与えて、熱をさげ、体力がついてからだそうです。
とりあえず入院させました。神経がどうなっているのか心配です。
いざとなれば、車椅子がありますが、おしっこやうんちが自分でできるかどうか、そこが...とても心配です。
* * *
人には懐いていて、吠えたり噛んだりはありません。
飼われていたに違いありません。
自分で動けないので、誰かがここに連れてきたのです。
このわんちゃんのことをみんなで想像し話し合いました。
「結局は、農場のおばちゃんの犬じゃないのかな?初めて見る犬だって言ったけど」
「だったら私たちが捕まえるとき、逃げるのは農場の方角のはずでしょう。犬は別の方の、藪に向かっていったよ」
「どこか別の場所で事故に遭って、連れて来られたのかな?」
「事故にあったあと、番犬として役に立たなくなったから、捨てられたのかも」
「農場なら餌があるからという理由でかもしれないね」
いろんな思いがよぎります。
口内炎と闘う、こびちゃん。
安田文具店で保護されたので「安田君」と呼ばれていた、凛々しい雄猫です。
熱が出て、食欲も落ちたため、あきこさんがプリン先生のところでインターフェロンとステロイドの注射をして
頂き、それからちょっとずつ元気になってきました。
いよいよエイズ発症かもしれず、長くないかもと言われました。
こびちゃんは、もうずっとこたつの中です。
手からなら少しずつ口に入るので、手のひらにとって、与えるようにしています。
気づくとこたつでいっしょに寝てしまいます。こびちゃんはごろごろ、痩せた体で喉を鳴らしてくれます。
週に2回は、あおともさんがお勤めの帰り、夜になって、たまったゴミを回収しに来て下さいます。
あおともさんにも可愛がって頂いて、こびちゃん、ほんとうにしあわせです。
飼い主さんも、南相馬から18日に会いに来られるそうです。
遠いのに大変です。でも、こびちゃん、とてもとても楽しみにしています。
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