昨年の夏、アニマルエイドさんによって、警戒区域だった南相馬の安田文具店の前で保護されたため、
「安田君」と呼んでいた猫さん、りんとした男っぽい気高な猫で、魅力があります。
飼い主さんがみつかって、ほんとうによかったです。
ほんとうのお名前は「コビちゃん」でした。
コビちゃん、残念ながらエイズ陽性です。
ずっと鼻水、口内炎と闘ってきました。
とうとう食べられるのは決まった缶詰だけになってきました。
それも、お皿ではダメで、手で少しずつ舐めさせてやっとです。
体重も減ってきました。
昨日は、こたつぶとんに血の混じった唾液がたくさんついていました。
つらいね、コビちゃん。
私たちも、お医者様や飼い主さんと相談をしながら、2週間に1度の注射を続け、ステロイドの種類を変えてみたり、
口内炎の塗り薬を試してみたりとしてきましたが、口内炎は簡単にはよくなりません。
この頃は皮膚もがさがさになって、頭部から毛が落ちるようになってきました。
CAPINシェルターのボランティアたちも、これまで随分、自宅でエイズや白血病の保護猫を看取ってきています。
コビちゃんには刺身を刻んだりトリをゆでたりと、ベストを尽くしながらも、最悪のことも覚悟をしています。
(2年前の1月に看取った猫が、口内炎の症状も、脱毛の仕方もコビちゃんと同じでした。
11月に脱毛し、1月には逝ってしまったハセヲ。コビちゃんにどれだけの時間が残されているかわかりません。
が、こうなったら日々が大事だと思っています。)
だれでも通る道で、みんなついているから大丈夫だよ、ゆっくりのんびりしようね、と抱きしめ、添い寝すると、
痩せた体でゴロゴロいってくれます。
もう1年も暮らしているこたつ部屋だから、そして飼い主さんがご家族で通って下さるここが、きっと安心な
場所です。
飼い主さんもシェルターにはよく来て下さって、私たちに労いの果物やお菓子までお送りくださって、
コビちゃんはほんとうに愛されているんだとうれしくなります。
コビちゃんを大事にしていたおじいちゃんも、コビちゃんを見守っているはずです。
こちらとあちらの境目で、命の輝きを強く感じます。
気高いコビちゃん、これまでお疲れ様、ここでゆったりしようね。
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